※記載されているプロフィールは取材時のものです。

先生が答える WK相談室

年齢別 Practical Toys活用法

Stage 1でお届けしているSound PlayboardとStage 4でお届けしているActive Card Reader。
お子さまが一人で遊べるようになるまで「今は出さずに大きくなってから...」とお考えのかたも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、WK監修の豊田先生に年齢別Practical Toysの活用法をおうかがいしました。

【年齢別活用法】

■ Sound Playboard ~1歳代のお子さまの場合~

■ Sound Playboard ~2歳代のお子さまの場合~

■ Sound Playboard ~3歳以上のお子さまの場合~

■ Active Card Reader ~1、2歳代のお子さまの場合~

■ Active Card Reader ~3歳代のお子さまの場合~

■ Active Card Reader ~4歳以上のお子さまの場合~


豊田先生豊田ひろ子先生

東京工科大学教授。専門は言語教育学、児童英語教育、バイリンガリズム。1児(男の子)の子育て真っ最中!ご主人は日本人とアメリカ人のダブル

Sound Playboard ~1歳代のお子さまの場合~

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膝にお子さまを。Sound Playboardを同じ目線で見ながら、声かけをします。

お子さまが2歳になる前にWorldwide kidsをスタートされた方には、Sound Playboardを与えても、機械を投げたり、カードを折ったりするだけでうまく活用できないと感じる方も多いようです。
そのような状況では、大人にとってそれがどれだけ役に立つ、素敵な機械であっても、お子さまにとってはそれが何なのか、何をするものなのかわからない、"得体の知れないもの"となってしまっていることがよくあります。
特に低年齢のお子さまはおうちのかたとの触れ合いの中で一緒に遊ぶという体験が必要だと思います。
例えば、一緒に遊ぶ時の親と子の位置はとても大切です。まずはお子さまを膝に乗せ、机や台の上に置いたSound Playboardを2人の正面に持ってきてください。
そして、一緒に同じ画面を見ながら背中越しに声かけをし、やり方を見せながら遊んでみてください。
1歳代のお子さまには、まずは触ったり叩いたり、そのものに慣れ親しむ時間があってもいいと思いますが、英語の教材として使ってもらうためには、一人で使わせるのではなく、親と子の関わりあいの中でゆっくりじっくり使っていくのがよいでしょう。


「同じボタンを押してばかりいる」という行動も「興味がある」という気持ちの表れです。「カードを折ると遊べなくなっちゃうよ」「こっちを押してごらん」と声をかけ、ゆっくりじっくり教えていけば、その時にできなくてもだんだんわかるようになっていきます。1歳代ではPractical Toysに名前をつけるのも面白いですね。Practical Toys自体に愛着を持たせると、そのようなPractical Toysを「いじめる」ような行動がおさまったり、Practical Toysへの愛着がその後「英語の音がだんだん聞ける」ということへもつながってゆきます。
毎日Practical Toysで遊ぶ必要はありません。Practical Toysの場合、おうちのかたの負担にならない週1~2回程度の使用でもいいと思います。機械は疲れないけど、人間は疲れますものね。


Sound Playboard  ~2歳代のお子さまの場合~

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声かけがお子さまの概念づくりの大切な土台となります。

2歳代になり、お子さまが使い方に慣れてきて、自分で遊びたいようになってきたら、膝から下ろし、今度は横に並んで一緒にカードやPractical Toysを見ながら繰り返し遊んでみましょう。お子さまの目線に合わせ、一緒に遊ぶことが大切です。
英語をバリバリ教える、ということよりも親子が一緒の目線で触れ合いながら遊び、おうちのかたがお子さまの疑問や興味に合わせてやり取りをする中で、お子さまは少しずついろんなものの概念を覚えていくことができます。そのひと手間が大切なのです。そうした触れ合いが、少しずつ自分でPractical Toysを使える土台となります。例えば生活の中で果物を食べたら「banana...バナナだね~さっき食べたよね。甘かったね。これは黄色だね~。」などと、言葉そのものの概念を作る声かけをしながら、一緒にカードをさして音を聞いてみましょう。2歳半ごろには「おうちのかたの"これはなんだろう"という問いかけ」→「押すと音が出る」→「その音を肉声で聞く」→「発声する」→「おうちのかたの"できたね、楽しいね"という声かけ」という行為を繰り返すことで言葉の覚えが定着していきます。


大切なのは、ひとつひとつゆっくり、繰り返し進んでいくこと。子どもはSlow Learnerです。一度に多くのことはできないし、すぐに忘れてしまうということを念頭に置いて、多くを期待しないという姿勢も大切です。


Sound Playboard ~3歳以上のお子さまの場合~

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不正解でも「あちゃ~残念!もう一回やってみよう」など明るい声かけが大切。

3歳以降になると、だんだんとひとりでPractical Toysを使えるようになってきます。そして、ただ音が出るのを聞いたり、遊びを繰り返すだけではつまらなくなってしまいます。そんな様子が見られたら、カードを使って考えさせられるようなクイズ遊びを楽しむとよいでしょう。
Game CardやQuiz Cardでは、お子さまが「頭を使うと正解できるんだ!」という楽しい感覚を味わえます。
また、自分の好きな物がはっきりしてくる年頃です。乗り物、虫、動物などテーマ別にお子さまの好きなテーマのカードをわけて遊ぶのもよいでしょう。例えば動物が好きなお子さまでしたら、"zoo"のQuiz Cardを使い、動物を見つけるクイズをやってみてはいかがでしょうか。
正解したら「できたね!すごい!」と、お子さまに達成感を与えるような声かけをするといいと思います。
「自分でできた!」という喜びがお子さまの自信にもつながり、自然とどんどんお子さまが遊びにのってくることもありますよ。

だんだん集中力もついてくる年頃なので、少しずつカードの枚数を増やしていってもいいでしょう。

Active Card Reader ~1、2歳代のお子さまの場合~

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"thirsty","hungry"などのカードで自分の要求を表すこともできます。

Stage4で届くActive Card ReaderでもSound Playboardの場合と同じで、おうちのかたがお子さまに話しかけながら一緒にゆっくりじっくりやり方を見せていく遊び方がいいでしょう。だんだんと言葉が出てくるタイミングだからこそ、形、数字、色などを整理しておうちのかたが伝えてあげることが大切です。低年齢のお子さまの場合は特に、言葉そのものの意味をリアルな実感と共に自分の中に取り入れます。機械では人間相手と違って気持ちの共感が得られないし、その言葉の持つ意味の本当のすごさを与えてはくれないので、肉声での語りかけがとても大事なのです。

Stage4はhappy、sadなどの英語で自分の気持ちの伝え方を学ぶStageでもありますね。Active Card Readerの感情を表すカードを使って、一緒に遊んでみてはいかがでしょうか。
「今日はどんな気分?」とお子さまに声をかけてみてあげてください。
私がうちで子どもとその遊びをした時には、子どもの表現力の豊かさにとても感動しました。"happy"のカードを笑顔で示す日もありましたが、ある夜、一緒にカードで遊んでいた時に"scared"のカードを見ていて、パッと部屋の電気を消したのです。
"scared"という言葉を口に出すだけではなくて、その感じを、実際にママも体験して!と部屋を真っ暗にしたんですね。その時は、本当に子どもってすごいと思いました。
まさに「気持ちの共感」ですよね。


Active Card Reader ~3歳代のお子さまの場合~

1~2歳代で親御さんと一緒にした言葉の概念づくりや、機械そのものに抱いている愛着の下積みが活きてくる頃ですね。例えば「grapesのカードは知っているから遊ぶけど、mangoっていうのは何だかわからないからやらない」など、カードの絵に対する心理的近さも自分で取り組む際のやる気に関わってくるでしょう。
1~2歳代で培ってきた概念づくりをそのまま続けながら、遊びをどんどん広げていきましょう。

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「chickが大きくなったら何になるでしょう?」クイズは日本語でもOK。

「SoundPlayboard~3歳以上のお子さまの場合~」でご紹介したように、3歳代からはクイズ遊びがぴったりです。
Game CardやQuiz Cardを使って、まずは日本語でもいいのでカードを見ながら一緒に遊んでみてください。そこでは、日本語と英語の違いを学べると思います。
例えば、Game Cardには様々な動物の親子カードがありますね。そこで、親と子で英語での言い方が違うカードを使います。「お猿さんは親も子どももmonkeyなのに、羊さんは子どもの時にlamb、大きくなるとsheepって呼び方が変わるんだね。違うんだね。」などと声かけをしていくと、お子さまはだんだんと日本語と英語は別のもので、それぞれ別のルールがあるという認識をしていくようになります。
そういった認識のベースができてくると、英語や言葉の構造に対する興味も深まっていくでしょう。


Active Card Reader ~4歳以上のお子さまの場合~

4~5歳になると、自分でものごとに自主的に取り組むこともできるようになってきますね。ようやく"得体のしれないもの"を学習教材として楽しめるようになってきます。
4歳以上のお子さまには書かれている文字の違いをヒントに、文法的な違いに気づかせてあげるのもよいでしょう。
子どもはセンテンスを1つの音のまとまりとしてとらえ、合体して覚えます。一方、大人は分析的で、単語1つ1つを区切って、その組み合わせとしてセンテンスを覚える傾向があります。

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文字を実際に見ながら、違いを発見することで、文法を覚えていきます。

よく見られるのが"I have many apple."というように複数形の-sが抜けた表現を普通に使っていたりすることですね。
その時に、実際にappleとapplesのカードを見せて、「2つの違いはなんだろうね?どこが違う?」「sがついてるね!これは"たくさんある"という意味なんだよ!」など子どもに気づきを与え、英語という言葉のしくみを理解させてあげる支援が必要だと思います。
だんだん大きくなるにつれて、自分が言いたいメッセージを正しく伝えたり、相手の言うメッセージをきちんととらえるためには必ず文法が必要になってきます。一個なのか、たくさんなのか。中なのか、外なのか。そこで、音を聞かせてあげながら、文字も見せてあげると、お子さまは理解しやすくなります。

実はそれと同じことを、日本語を覚える段階でもやっているんです。例えば、音は同じでも、「私は」では"は"が正しく、「私わ」という"わ"は使わない。「部屋へ」は"へ"が正しく、「部屋え」では間違いだということ。そのように文法を意識して覚えていくという段階が、必ずどの言語でも必要なのだと思います。音から英語を聞くということが、低年齢のお子さまにとっては大切ですが、この年頃のお子さまには文字を実際に見せて、その違いを認識させると、その後の読み書きもスムーズに覚えられるようになるでしょう。