※記載されているプロフィールは取材時のものです。
Stageが進むにつれて、お子さまが、教材に向き合う様子や教材を活用する時間の長さや頻度は変わってきますね。教材のテーマや内容の変化に伴って、おうちのかたにはさまざまな不安も出てくるのではないでしょうか。
今回は、Stage3・4をご受講中のおうちのかたから多くいただく声に、WK監修の沢井先生からアドバイスをいただきました。
チャイルド・ラボ所長。専攻は発達心理学。視聴覚教育メディアの設計と教育映像コンテンツの開発、および認知発達支援。
ドイツ留学経験のある息子さんの母!日本子ども学会常任理事。
Q:Stageが進むにつれて、DVDの内容が難しくなってきたように思う。子どもも理解できていないような気がしますが、DVDはどんどん見せていってもいいのでしょうか。
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Q: DVDの内容が難しくなり、親自身がついていけるか不安です。
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Q:他のことに興味が出てきて教材から離れ気味。興味を呼び戻す効果的な誘い方はありますか?
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Q:DVDを見ていても、玩具で遊んでいても途中で別のことをやってしまう。もっとちゃんと集中してほしいのですが・・・。
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■ お子さまの様子の変化の要因は2つ
今まで体を動かしながら見ていたお子さまが、体を動かさず、かたまっているので理解できていないように見える、ということですね。
これは、お子さまに好き嫌いが出てきたため、もしくは、映像を見る際のお子さまのスタイルが変わってきたため、のどちらかと考えられます。
■視聴反応の変化は、発達の過程で見られる成長の証
幼児期、特に1-2歳児は、観察学習力が非常に優れており、意味が理解できなくても、繰り返し見たり聞いたりした音声や映像のまねができるため、DVDの映像と同じように体が動いたり英語らしいものを口にするなどの反応も見える時期です。
しかし、3歳になると、模倣中心の見方を卒業して、自然の実写映像を理解するときのような「非言語的理解」と、言葉やイラストなどを入れて加工した映像も理解できるような「言語的理解」の境界に位置します。発達と共に「見て聴く」理解の仕方がかわってくるのです。
また、発達するにつれて、一度の視聴で内容をつかむ能力も向上し、学習したことを貯める記憶の量も増えますから、映像を見るときの反応が躍動的な1-2歳の時と比べて、あっさりと静かになるのは自然なことなのです。いずれも成長の過程で起こるもので、むしろ嬉しい成長の証ともいえますね。
■ 有意義なDVDの視聴の仕方
好き嫌いが強くなってきたお子さまにおすすめ
お子さまの好きなテーマやキャラクターが出てくるコーナーだけを選択して、ご覧になるのがいいでしょう。
Basic DVDsには、お子さまが興味を持ちそうな多種多様な映像や音声で構成していますから、お子さまの様子にあわせて、見るコーナーを選択し、おうちのかたがDVDの中の英語をまねして一緒に言ってみたり、お子さまに質問したりしながら、楽しくお進めください。
・絵を描いたり、工作が好きなお子さまにおすすめ (一例)
Basic DVDs No.13(Stage 3)"Merry-Go-Round Town2" |
Basic DVDs No.12(Stage 3)"Be a Little Artist / hot" | ||
・ごっこ遊びが好きなお子さまにはこちら(一例)
Basic DVDs No.16(Stage 4)"Merry-Go-Round Town1" |
Basic DVDs No.16(Stage 4)"Emotional Toys" | ||
じっと見ているタイプのお子さまにおすすめ
「どれがすき?」「次はなんだっけ?」と、声をかけてDVDのお話をしてもらう機会をつくってください。
お子さまが記憶を思いだして答えるような質問は、お子さまが今まで見た中で何をインプットしたかを知る機会になります。また、「これはなんて言っているのかな?」「何をしているのかな?」と画面を指さししながら質問してみましょう。
指さしであれば、お子さまはなにを聞かれているのかわかりやすいはずです。質問は英語でも日本語でもかまいませんよ。
幼児期は、人の動作や音声の刺激豊かな映像をみることで次第に意味も理解できるようになります。ですから、DVDを見せることは、お子さまの言語理解への第一歩とお考えになり、まずは一緒に映像をご覧になってみてください。
■ 大切なのは音楽のようにイントネーションを伝えること
「正しい英文を言わないといけないと思うと不安。」「正しい発音で、DVDに出てくるフレーズを覚えるのも大変。」という声もよく伺います。おうちのかたがお子さまにかかわって、ご一緒にWKを活用なさっているからこそ出てくるお言葉ですね。
しかし、「正しい英語を」と、肩に力をいれないでお考えください。お子さまとのかかわりに大切なのは、英語の発音や英文を正確に伝える、ということではありません。幼児期には、英語のリズムやメロディ、アクセントといった英語のイントネーションなど、音楽的な特性を伝えることが大切です。聞いたものを聞いたままに受け入れ、まねができるというのが幼児期の強みですから、細かい発音や意味は気にせずに、小鳥のさえずりを聞くようにイントネーションを聞いて、まねして話す遊びを楽しんでください。
■ 一文を一つの塊としてとらえるところからスタート
先日、いろいろな外国のかたと、英語で話す機会がございました。その際に、正しい文法で、一つ一つの単語の発音も正確な英語をお話しになる方がいらっしゃいました。日本人である私には、その方が話される英語は非常に聞き取りやすかったのですが、同席したネイティブの方は、「聞き取りにくく、わかりづらい。」と率直におっしゃったのです。つまり、個々の単語の発音やアクセントが正確な英語というのだけでは不十分であり、一文に一つの流れがある英語の方がわかりやすいということでした。ですから、一つ一つの単語を正確に話すことにこだわらず、一文を一つの塊として、イントネーションをとらえてみるところから始めてください。
また、お子さまは、意味が理解できなくても、くり返し見ることで英語の言葉は音声として頭に入っていきます。おうちのかたが日本語訳を伝えなくても、映像などから理解も進んでいきますよ。
体全体を動かして楽しめるアニマルマット(Stage 2)
■ 幼児期における興味の移り変わりは大切な成長の過程
お子さまの世界が広がったり、年齢があがるにつれて、WKへの興味の比重が変化するのはごく自然なことです。お子さまの意思を尊重しながら、お子さまがその時期に興味を持っているもの、好きなものを使ってお誘いください。
ごっこ遊びや着せ替えが楽しめる。
"Food & Clothing"(Stage 4))
■ お子さまの好きなものや日常会話を入り口に
WKの世界に入るいざないは、お子さまの好きなキャラクターのパペットを使って誘うのが効果的です。また、体を動かすのがお好きなお子さまでしたら、動作性の高いもの、例えば、アニマルマット(Stage 2)に誘って興味を戻したり、ごっこ遊びや着せ替えが好きなお子さまでしたら、 "Food & Clothing"(Stage 4)などがよいですね。
また、お子さまとの会話の中で出てきた話題を扱っているDVDのコーナーを、「一緒にみてみようか」とお誘いになるのもよいでしょう。
■ 幼児期における「集中」とは
集中して遊ぶということは、一カ所、一つの玩具でまとまった時間続けることと、大人は考えがちですが、そうではありません。すぐに興味が移り変わって、別のもの、さまざまな場所に移動をくり返しても、一つ一つに短時間でも向かっていれば集中しているといえるのです。むしろ、一つ一つに区切りや時間間隔がある(数分でもよい)分散学習のほうが記憶に残りやすいため、一定時間まとまって学習する集中学習よりも、効率的な学習法だといわれています。
■ 「集中」をより引き出す遊び方
遊びの場所や手段を分散させることによって時間も分散させ、ある場所には、"Naef Spiel"(Stage 3)やアニマルマット(Stage 2)、別の場所にはパペット、さらに別の場所には絵本、といった具合に、プレイステーション(※)をつくるのがおすすめです。プレイステーションは日によって、1箇所においてある教材の組み合わせが変わっても楽しいですね。
ご家庭なりのプレイステーションで、お子さまと一緒にぜひ楽しんでくださいね。
※プレイステーションとは、遊ぶ場所の意味で用いられています。