※記載されているプロフィールは取材時のものです。

先生が答える WK相談室

Stage 5 "Nature Blocks"で発見!お子さまなりのやり方や規則性

Stage 5でお届けしている"Nature Blocks"。みなさまはもう遊んでいますか?「仲間わけをしながら論理的な力をはぐくみ、物事の多様性への気づきを得る」というStage 5のテーマは、少し難しく感じるおうちのかたも多いようです。そこで今回は、「論理的な力とはどういう力のこと?」「物事の多様性に気づくとはどういうこと?」という疑問に、英語教育を専門とされ、現在も日本で大学院生から幼稚園児まで幅広く英語を教えているWK監修のJohn先生がお答えします。



john E. Plagens先生John E. Plagens先生

WK英語監修。ルーテル学院大学教授。新潟大学歯学部大学院非常勤講師。専門分野は英語教育(The Teaching of English as a Second Language)。全国語学教育会(JALT)会員。著書に「ジャンさんの"英語の頭"をつくる本」(インターメディカル)。長年日本で教鞭をとり、現在も大学院生から幼稚園児まで英語を教えている。



身体を動かしながら。親がやれば子どももやろうとしますよ

Q. Stage 5の"Nature Blocks"を活用されるお子さまの年齢には幅がありますが、まずはどんな遊びからはじめれば
      よいでしょうか。


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指でふれながら"Two, four, six...."と英語を声に出しましょう。

TPR (Total Physical Response / 全身反応法)を積極的に取り入れて、身体を使って遊んでください。"Nature Blocks"を並べて"One, two, three...."と数えていくときも、指でひとつずつブロックにふれながら英語を声に出すと効果的です。お子さまの年齢があがってくれば、偶数をTPRで実践することもできます。"Two, four, six...."と指でふれながら進んでいけば、2つずつ足されていくことを身体で覚えることができますよね。


教室では生徒の年齢によって先生が中心になったり、生徒に自由にさせたり、いろいろな方法をとりますが、常に先生がモデルを見せる必要があります。同じように、ご家庭では親が子どもに、遊びながらモデルを見せてあげることが大切です。親がやれば、子どももやろうとしますよ。



【John先生の"Nature Blocks"アドバイス】


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パターンづくりにもたくさんのバリエーションがありますね。まずは大きな概念のものからはじめましょう。

子どもの発達を考えれば、大きな概念のものからはじめて、徐々に小さなものにも取り組んでいくというのがよいです。まずは色からスタートするのはどうでしょうか。どのように並べるかパターンをつくってみましょう。"Orange, green, orange, green.... What's next?"子どもは繰り返しが大好きですよね。パターンづくりで規則性を発見することは、英語の「規則動詞」「不規則動詞」の習得にもつながっていきます。

※規則動詞・・・一定の規則にのっとって変化する動詞
(例)walk - walked - walked
※不規則動詞・・・規則動詞と違い、不規則に変化する動詞
(例)write - wrote - written


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相手の存在を認められるように、必ず返す動作をいれましょう。

1歳から2歳前半のお子さまには、ものを渡す遊びをしてみましょう。"Here you are."と言って渡す。"Thank you. Here you are."と言って返す。どちらもおうちのかたが渡して英語を声に出します。反応がないように見えることもあると思いますが、お子さまはわかっていますよ。やりとりのなかでは、相手の存在を認められるように、必ず返す動作をいれてください。これも大事な遊びのひとつです。



子どもは天才。大人の気づかない部分に、気づきます

Q. 物事の多様性に気づくとはどのようなことを指すのでしょうか。
    "Nature Blocks"ではどのようなことに気づけるのでしょうか。


子どもは大人の気づかない部分に気づきます。こんなエピソードがあります。ある教室でアフリカ人の大人が、日本人の子どもと腕を見くらべながら「見て。全然違うよね」と言いました。すると、その子どもは「そうだね。全然違う。腕がとっても太いね」と答えたのです。よく子どもは天才と言われますが、発想が実に豊かです。"Nature Blocks"で遊ぶときは、おうちのかたも、普段目がいきがちな部分以外にあえて注目し、違う点を発見するようにしてください。



【John先生と一緒に編集部のメンバーも遊んでみました】


英単語を覚えるのも、やり方や規則性を学ぶときでも、勉強でなく夢中になれる遊びだからこそ集中ができるのです。
夢中になって、やり方や規則性を発見していくお子さまの姿を見守ってください。


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取材中、"Nature Blocks"でCircleやTriangleを作っていたJohn先生。「何かをつくったら、『部屋の中にある?』と聞いてみてください。それがそういうふうに見えるの!」という発見があると思いますよ。



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並べかたも自由ですね!ドミノにして遊んでみました。
"Let's line up the...."の"...."の部分をかえて、並ぶものを決めていきましょう。

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"Pickup sticks"山を崩さないように1つずつブロックを取りましょう。
色の名前など英語を言いながら楽しめますね。

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重ねて階段をつくりました。高さを比べたり、ひとつぬいてみたり、指で階段を
のぼったりもしました。

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"Nature Blocks"でストーリーづくり。お子さまがいつでもアクセスできる場所に
おいてあげましょう。


Learning(学習)とAcquisition(習得)は違うものです。教えるだけでは習得に結びつかないのです。極端な例をあげれば「やけど」。どんなに熱いと教えても、実際に熱いものを触ってやけどを経験しなければ身にはなりません。子どもに限界はないのですから、自分のお子さまを信じて、子どもなりのやり方を見守ってあげてください。



"Child-centered"。親は子どもに便乗するんです。

Q.ずばり、おうちのかたはどのようにかかわればよいのでしょうか。


子どもに便乗するんですよ!日本とアメリカの違いは学校の授業スタイル。アメリカでは、"Student-centered",つまり生徒中心のスタイルが主流ですが、日本では"Teacher-centered"ですね。私が教室で"octopus"(たこ)を教えたときに、ある生徒が両腕をくねくねと上下に動かし、"octopus"と笑いながら席をたちました。私は決してそれをとがめることはしません。むしろよく理解しているとうれしくなります。そうだね"octopus"と一緒に腕を動かして笑いますよ。

小さなお子さまの遊びは、ひとり遊びからはじまりますね。そして、だんだん相手を取り入れて遊びを複雑にしていきます。まずはインプットから、時間やゴールなどは設けずにやるのがよいでしょう。子どもはひとり遊びに夢中ですが、親が話しかけたときに反応がないように見えても、子どもは実は聞いています。ひとり遊びをしているときもそばにいて、声をかけながら見守ってあげることが大切です。ただし、子どもに自由にやらせてあげること。「そうじゃない、こうじゃない。」と指摘するのはよくありません。子どもは何度も何度も繰り返して自分なりのstrategy(方策)を覚えるのですから。