※記載されているプロフィールは取材時のものです。
前半Stageでたっぷり吸収した英語を使って、コミュニケーションを楽しむ後半Stage。でも、「単語は話すけれど、フレーズはまだまだ...。」決まったフレーズでのやり取りしかできないけど大丈夫かしら...。」などといった不安を抱えていらっしゃるかたも少なくないのではないでしょうか?
そこで今回のWK相談室ではみんなの体験談に寄せられた会員のかたのご質問をもとに、監修の豊田先生にアドバイスをいただきました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
東京工科大学教授。専門は言語教育学、児童英語教育、バイリンガリズム。1児(男の子)の子育て真っ最中!ご主人は日本人とアメリカ人のダブル
"What's this?"「 これなあに?」 "It's an apple."「りんごだよ。」と日本語を混ぜてするのもよいです。
Q. フレーズのやりとりを覚えてほしくて教えているのですが、いつもオウム返しになってしまって困っています。
「"What's this?"と聞かれたら何て答えるんだっけ?」と言っても
"What's this?"と答えられてしまい...。
(かなめちゃんのお母さまからの質問)
まず、"Wh"ではじまる疑問文は語尾が下がるので、オウム返しになりがちです。日本語でも疑問文は語尾が上がることが多いですよね。子どもは語尾が上がると質問であると感じるのです。"How are you?"は小学生でもオウム返しにしてしまうことが多いのですが、これも語尾が下がっていますよね。まじめな子ほど一生懸命くり返そうとする傾向にあるようです。
はじめから質問に答えるというのはハードルが高いので、はじめは
(おうちのかたが) "What's this?"
(お子さまが) "What's this?"
(おうちのかたが) "It's an apple."
(お子さまが) "It's an apple."
とくり返します。
それからパペットを使って、会話をしているんだというところを見せてあげるのがよいです。
はじめは、単語だけの受け答えでも十分です。
いろいろな受け答えができるように考えましょう。
Q.会員のかたからは、オウム返しになってしまうという声のほかに、
"What do you like?"と聞かれたら
"I like an apple."、
"How do you feel?"と聞かれたら
"I'm happy."
のようにいつも同じ受け答えしかしていないと感じているかたもいらっしゃるようですが、決まった答えだけでなく、いろいろな答えを引き出していくよい方法はあるのでしょうか。
決まった答えしか言わない場合は、自分が間違えることに気付いていたり、間違えるのを嫌がっていたりすることもあります。(大人でも間違える可能性が高い文法を自然と避ける傾向にあります。)そのような気持ちが働いて、同じことしか言わないという状況になっていることもあるので、まずは、
自分のことが言えたら褒めてあげる、そのあとに「じゃあこの人だったらどう?」と人の気持ちを感じさせてあげると、自分のもつ知識だけでなく、相手を思いやる気持ちと、状況にあわせて言える力がうまれてくるのです。はじめは、単語だけの受け答えでも十分です。いろいろな受け答えができるように考えましょう。
また、フレーズのやりとりを覚えてしまっていると感じるのなら、ほかにもいろいろな工夫してみるとよいでしょう。
"What's this?""It's a(an)...."のやりとりであれば、見ているものを指さして答えさせるのではなく、箱に入れたり、袋に入れたり、見えない状態にして、ヒントを出してあげるのです。
インフォメーションギャップにはいろいろなかたちがありますので、例えば「りんご」なら英語で
"It's red."などとヒントを出すこともできますし、箱から一部を見せてあげたり、
"It's an a... a... a...."といったヒントでもよいのです。
2歳のお子さまには、まだスキンシップが大切です。
Q.会員のお子さまの年齢には幅がありますが、それぞれどのような目標を持てばよいのでしょうか。
アウトプットに関しては、4歳のお子さまであれば、サポートがあれば前述のように人の気持ちを感じさせてあげて、状況にあわせて演じるという発話ができるようになります。
3歳であれば、たとえば
"How do you feel?"という質問に自分なりに答えられれば、それで十分です。
2歳のお子さまであれば、自分のお気に入りの英語を自発的に発声することができますが、単純なまねによるアウトプットもほめてあげてください。
この年頃のお子さまは、WKのDVDに登場する年長のお子さまほど、はっきりした発音やしっかりした動きができない段階にいます。まず、英語の音のシャワーを楽しむようにしてください。英語のインプットが、これからのアウトプットの基盤を築いてくれます。まだ、スキンシップが有効な年齢ですので、お子さまをひざにのせてリズムをとりながら英語を言ってみる。歌やチャンツを聞きながら楽しく体を動かして音に慣れる。そのなかで歌の最後の一節でもくり返せるようになったのなら、それはとても素晴らしいことです。