※記載されているプロフィールは取材時のものです。
児童英語教師で、英語教室BRIGHTを主宰しているワールドワイドキッズのイベントを監修してくださっている清野先生は、家庭では3歳と、2007年8月に生まれたばかりの0歳の女の子の子育て真っ最中! 幼児から小・中・高等学校まで英語を教えられた経験がある先生の子育てについて、インタビューしました。
児童英語教師。英語教室Bright主宰。2児(女の子)の子育て真っ最中
小さい子はよく、「じっとしていられない」「座っていられない」「すぐ飽きてしまう」と言われますが、それがまた教師にとってはチャレンジであり、プラスに生かせるポイントでもあると思います。お兄ちゃんお姉ちゃんは座っての勉強がほとんどですが、小さな子どもたちとは、立って、動いて、踊って、座って実にいろいろなことができるのです。
子どもは誰しも生まれながらにしてさまざまな能力や可能性を備えているとは思いますが、小さな子どもたちはまっさらなノート(Tabula Rasa※) だとも思います。
(※Tabula Rasa:タブララサ 人間の心はもともと白紙であって、すべての知識は経験によって外から得られるという考え。イギリスの哲学者ジョン・ロックのことば)
2~4歳は、偏見がない。いや、最初はないはずだと思います。気がつくと、私の3歳の娘も「男の子だから・・・女の子だから・・・」などと言うようになってしまいましたが、知らず知らずのうちに、さまざまなところで、さまざまなかたちで何々はこういうものである...という考えが身についていくのですね。
純真無垢(むく)なノートにあれこれ書き込んでしまう大人の責任は重いですね。できるだけ、1つのものごとをいろいろな角度からふれられるように、体験できるように配慮したいと思っています。
紙芝居や絵本を読むと、この年齢の子どもたちは、絵の中の果物や食べ物をさわって、おいしいおいしいと言って、ぱくぱく食べたりします。何か3つ、3匹、3人出てくると「これがパパでこれがママでこれが私」・・・のように自分の家族になぞらえるのもよくみられる光景でかわいいですね。わが家の子どももやっています。
落ち葉を使ったアクティビティ"Colorful Leaves"
いろいろな色、かたち、大きさの葉っぱを用意します。野外なら実物を、室内では、
折り紙、画用紙などを使います。"a leaf""leaves"と言う単語を覚えたあと、
"Catch the leaves!"といって上から落ち葉を落として、子どもたちの上に舞わせ
キャッチしてもらいます。何色、どんな大きさの葉っぱをキャッチしたかを聞いたり、
枚数を数えたりします。
左)"Let's make something with colorful leaves!"
落ち葉を使って、娘が作った「おとうさんの顔」。
また、いろいろな動物になって動いてみよう、といった表現遊びがとても豊かにできる年齢です。動物ごっこをする場合も、決して1つの決まった動物の動きをまねさせるのではなく、子どもたちがイマジネーションを働かせて、自由で安心して好きに表現できるような雰囲気づくりが大切だと思います。
子どもたちのごっこ遊びの豊かなことといったら!赤ちゃんのお世話をしたり、赤ちゃんになってみたり、お店やさんになったり・・・本物のお金や財布がなくてもいいのです。見えない観客、聴衆とのやりとりも立派なものです。いま、ここ、の世界だけでなく広い世界でいろいろなものを使ってイマジネーションをふくらませて遊べる。それってすごいことだと思います。
大きくなるにつれ人間はできることがどんどん増えていきますが、できないことも増えていくような気がします。「泳げない」「鉄棒ができない」「数学ができない」のように...。でも2~4歳は、どんどんできることが増えていくだけ、のような気がします。
昔、まだ長女が生まれて半年のころ、3歳の子どもがいるママに英語を教えていたときのことです。A4の紙を半分にして、左に子どものできることを"He can...."と、そして右側にHe can't....というふうにリストにしてきてほしいという宿題を出したのです。そうしたら、次の週、「できないことが思いつかなくて・・・」とそのママが言ったことを今でもよく覚えています。自分の子が3歳になった今、たしかにそうだなと思います。
日々成長をする自分の子どもをみて、「できないこと」を数える親はいませんよね。今日は歯みがきを嫌がらずにできた、とか、今日はごめんなさいが言えた、とか、今日はジャングルジムの高いところまで登れた、というふうに。つまり、子どもたちにはできるだけ多くの経験をさせてあげて、できることを増やす、世界を広げられるようにしたいと常々思っています。