※記載されているプロフィールは取材時のものです。

先生が答える WK相談室

監修の豊田先生が実践されている英語子育て

言語教育学、児童英語教育、バイリンガリズムがご専門の豊田先生は、家庭では1児(男の子)の子育て真っ最中。いろいろ英語教材やおもちゃを見てきたけれど、すぐに飽きてしまい、「遊びながら英語を学ぶ」ワールドワイドキッズに共感されて、監修を引き受けてくださったそうです!


今回は、豊田先生が英語を子育てにどう取り入れていらっしゃるのかインタビューしました。

豊田先生豊田ひろ子先生

東京工科大学教授。専門は言語教育学、児童英語教育、バイリンガリズム。1児(男の子)の子育て真っ最中!ご主人は日本人とアメリカ人のダブル

4歳のお子さんには、英語でどのようなことをなさっていますか?

いつでも子どもが使えるように英語の絵本や教材を置いています!
うちでは、日本語のものと一緒に英語の絵本やカードリーダーを、おもちゃをしまうところやクローゼットに普通に置いています。整理もしていなくて、本人の気が向いたときに、使えるようにしています。

基本的には本人次第。教えるんじゃなくて一緒に楽しむんです。DVDは一緒に見て、どこでうけているか観察しています。たとえば散歩中にDVDの音や内容を息子が口にしたときにサポートします。英語が出てきたら、とにかくほめます(パチパチと拍手)! アニメはケーブルテレビの「カートゥンネットワーク」を英語で見ています。「ハイハイ、パフィー!」とかまねしてますよ。

英語を話すテディベア

英語を話すテディベアと、バタフライの
お話が書かれているバタフライのかたちを
した布製の本。テディベアはご主人の
お母さまから息子さんへのプレゼントだそうです。

英語の絵本は集中できる時間に。意味がわからなければ日本語で伝えます。

子どもの集中力って短いですよね。せいぜい5分くらい。だから絵本は朝とか、ご飯前、昼寝前、寝る前のリラックスした時間の、集中できる時間に、ばっと読んで終わり。「読んで読んで」と言われれば繰り返します。ストーリー性があってリズミカルなものを一緒に読んでいると、本人もできることは自分で言ってきます。

意味がわからなければ、英語が入らないので、わかるまでは日本語で話をします。たとえば「mumps(おたふく風邪)」なんて英語でわからない。「ほら、この前ほっぺがぷくっとはれてイタイイタイだったよね~」と経験に照らして、しつこいくらい話をします。


2歳くらいのときは、英語ははしょっておもしろいページだけ見ていました。長めのストーリーは難しいし、集中力が続かないので。小さいときは、DVDとか音、キャラが好きで絵本に興味をもつことが多かったですね。


研究されていたことを、実際にお子さまに試してみて驚いたことはありますか?

「耳の良さ」「音の調整力」には驚きました!
子どもって耳がいいなと思います。チャンク(短文での意味のかたまり)でわーっと耳に入っていく。たとえば絵本を読み聞かせるとき、"Over the wall. Under the bridge... "「これ面白いリズムね」「どういう意味だろう」と一緒に日本語でも考えて、くり返し聞かせていくと、"Over the..." の後に"wall"、"Under the..."の後に"bridge"と言うようになってくる。これは驚きでしたね!


"Bears in the Night"であれば、大人だと"Bears/ in/ the/ night"と(4拍同じように)言うけれど、子どもは"Bears" と"night"にアクセントをつけて(2拍のリズムで)言える。ポーズや間の取り方なんて本当に上手ですね。"The Lady with the Alligator Purse"というお話はお気に入りなのですが、"Doctor" "nurse" "turn"  "bathtub"といった大人には難しい発音も、最初から英語の音で発音していましたし、あっという間にお話全部をリズミカルにそらで覚えてしまいました。


見るだけ、聞くだけでは発音は良くならない。声かけは大切。

たくさんの本がある本棚

先生のおうちの本棚には、息子さんの
お気に入りの本がいっぱい。日本語の本も英語の
絵本も一緒に置いてあって、いつでも取り出せる
ようになっています。

幼児英語教材のモニターさん達を見ていて、「音を調整する力」にも驚きました。DVDの英語で聞き取れないところがあったとき、たとえば色を習っていて"What color do you like?"のような長い文が聞き取れないとき、親御さんが「こうなんだよね」と肉声で英語を聞かせる。

そうすると子どもは、DVDと親御さんの音を調整して、うまく言うようになるんです。たとえ親御さんが間違っていても、英語で聞けないところは親御さんの声を頼りに、たとえばcolorのl(エル)の発音のように親御さんが苦手で間違っているところは、DVDの音を頼りに、自分で調整して発音しているんですね。見るだけ、聞くだけでは声に出さない、発音は良くならないんだなとわかりました。

グローバルな視点で子どもに願うことは?

変動する社会だからこそ「しなやかにたくましく」!
わたしたちが育った時代と違って、今はインターネットやDVD・CDで情報も簡単に手に入りますよね。いろいろ国の人たちの知恵を集めて、分かち合うことだってできます。そのためには、自分のおかれている状況を理解すること、環境問題とか貧富の差とか日本が恵まれていることだって知らないと。

「自分だけじゃなくて人も」と考えてほしいです。ローカルで起こっていることが結局グローバルにつながりますから。国際共通言語である英語を使いこなすのはもちろん、いろいろな国の人たちとシェア、サポートしあえる関係を作り、変動する社会を「しなやかにたくましく」乗り越えていってほしいですね。